ピロリ菌とは
ピロリ菌(正式名=ヘリコバクター・ピロリ)は、1983年に発見された、ヒトなどの胃に生息し、胃の壁を傷つけるらせん型の細菌。胃の内部は胃液に含まれる塩酸によって強酸性であるため、従来は細菌が生息できない環境だと考えられていました。しかし、ピロリ菌はウレアーゼと呼ばれる酵素を産生し、胃粘液中の尿素をアンモニアと二酸化炭素に分解して、生じた強アルカリ性のアンモニアで、局所的に胃酸を中和することによって胃へ定着(感染)しています。
ピロリ菌が発生させるウレアーゼを含め、多くの毒素が胃粘膜の障害をもたらしています。ピロリ菌の感染は、慢性胃炎、胃潰瘍や十二指腸潰瘍のみならず、胃癌やMALTリンパ腫などの発生につながることが報告されています。
ピロリ菌の感染
現在、日本人の約50%以上(中高年の人では70〜80%)がピロリ菌に感染しているとされています。日本人だけではなく、世界中でピロリ菌の感染者は増えています。ピロリ菌は食べ物や飲み物など口からから感染するとされており、上下水道の普及率の低い、衛生状態の悪いところで、繁殖しやすく、ピロリ菌に感染しやすいと考えられえています。
ピロリ菌に感染すると、自覚症状として、むかつきや胃の不快感、軽い上腹部痛などが起こりるが、1週間ほどで治まり、その後は何の症状もないので、気づかない場合がほとんどです。
ピロリ菌は感染率が高いですが、必ず胃潰瘍や十二指腸潰瘍するわけではなく、ピロリ菌に感染している人の約5%の人が胃潰瘍や十二指腸潰瘍などを発症しています。胃がんになるケースは0.5%程度と言われている。一方、胃潰瘍患者の約90%以上が感染者であるとの報告もされています。
また、ピロリ菌に感染してから慢性胃潰瘍を発症するまでには、数十年かかると考えられています。
ピロリ菌の検査
ピロリ菌の感染を調べる検査には、大きく分けると胃内視鏡検査で粘膜を採って調べる方法と、胃内視鏡検査をせずに、血液や尿、便、呼気(吐いた息)で調べる方法があります。
慢性胃炎のため、胃痛、胃もたれなどの症状が続く、胃潰瘍、十二指腸潰瘍と診断された場合は、治療や再発を予防するためにピロリ菌の除菌が望ましいとされているので、検査をうけましょう。
ピロリ菌の治療
治療法としては、現在、世界各国で、ピロリ菌の除菌療法として、胃酸を強力に抑える薬と2種類の抗生物質が使用されています。日本でも2000年から、同様のピロリ菌の除菌療法に対して、保険が適用されるようになっっています。この除菌療法での除菌率は、薬が効きにくい耐性菌などもあるため、約80%とされています。また、抗生物質の投与による副作用(下痢、味覚異常、肝機能異常)もあり得ます。
そのため、東海大学と明治乳業が共同開発した、ピロリ菌除に有効な乳酸菌LG21入りの「明治プロピオヨーグルトヨーグルLG21」トなどが、高い支持を得ています。